目次
1.オーバーホールとは?
2.オーバーホールの時期はいつ頃が??
3.オーバーホールをした方が良い場合とは
(1)オイル消費が悪い場合
(2)マフラーから白い煙が出る場合
(3)エンジンの調子が悪く圧縮測定をして低い場合
4.オーバーホールしない方が良い場合とは
(1)エンジンオイルがしみだしている場合
(2)急坂の登坂や急加速の時に加速が悪い
5.オーバーホールで性能はアップするの?
6.オーバーホールのメリットとは?
7.オーバーホールのデメリットとは?
8.当社のエンジンオーバーホールの秘密?
9.実際のエンジンオーバーホール解説
10.エンジンオーバホールに必要な工具
11.エンジンオーバーホールQ&A
12.エンジンオーバーホールお客様の声
13.エンジンオーバーホール依頼の流れ
14.エンジンオーバーホール相談お申込み
15.店長プロフィール
16.取材実績
*専門用語が多いため、後日解説記事をリンクしていきます。
オーバーホールとはエンジンを部品単位まで分解して部品一つ一つを洗浄、清掃をして、使用限度を超えた部品や損傷した部品を新品部品に交換して、再び測定調整をしながら組み立てて新品に近い状態に近づける作業です。
Wikipediaによるとoverhaul(overholeではありませんスペルにご注意ください)「機械製品を部品単位まで分解して清掃・再組み立てを行い、新品時の性能状態に戻す作業のことである。」
自分が関わっていた頃のF1エンジン(1993年頃)で説明すると2時間のレースに対して3時間ほどの寿命で設計していました。多くの部品を時間で管理していました。
毎回交換する部品としてはピストン、メタル類
2回に一回交換する部品としてコンロッド、バルブ、バルブスプリングなど
3回に一回交換する部品としてヘッド、ブロック、コンロッド、カムシャフトなど
2016年のF1のレギュレーションでいうと年間5基のエンジンの使用が許されています。全21戦でフリー走行、予選走行、決勝レースまで含めてフルに走行すると1レースあたり405分走行することが可能です。1基のエンジンで約29時間走行しなければいけないようです。当時の10倍くらい!? すごい技術進歩です。
ピストンは常に高回転、高温度にさらされており一番過酷な部品であります。
しかし、一般的にオーバーホールというとエンジンを分解して部品を洗浄して、あまり部品を変えないでゴム性のパッキンやガスケットを交換することを言うらしいです。普通のエンジンならそれでも良いと思いますが、、、
エンジンオーバーホール済みということで中古エンジンを買うことは注意が必要です。
エンジンオーバーホールに対して定義が無いのが問題です。どこまで作業しているのかがわかりません。当社のようなオーバーホールもあれば、分解して洗浄もしないでパッキンとピストンリングだけ変えてオーバーホールというのもあるようです。すぐ分解することがないためバレないようです、、、
先日スーパー耐久用で購入した中古エンジンはコンロッドが曲っていました、、、、
しかもエンジンが届いた時、ご丁寧に圧縮OKという札が書いてありました、、、こんなに曲がっていたら圧縮出ているわけありません。保証付きということで購入しましたがレース用なので使用前に分解チェックしたら発覚しました。
相談したら、、、
「分解したら保証外です、、、」 そんなの詐欺みたい、、、いまだに悔しさが込み上げてきます。
一般のエンジンなら不具合が発生したら中古エンジンに交換でも良いですが、、、ホンダの高回転型のエンジンにおいてはちょっとおすすめできません。
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高回転型のエンジンでなければ50万kmくらいはオイルの管理をしっかりしていてオイル漏れなどがなければ問題なく使用できると思います。
アメリカではホンダユーザーがアコードを100万マイル キロ換算で160万km走行して表彰されていました。メンテナンス費用も凄かったことが想像されます、、、お礼に新型アコードのプレゼントをいただいたようです。(アメリカホンダの粋な計らいに拍手したいところです!!
当社での最高走行距離は43万kmです。車種はアコードでしたが、エンジンオーバーホールはしておりません。
当社にエンジンオーバーホールを依頼してくる方の多くが誤解をされています。10万km超えたのでオーバーホールして欲しいと来られる方が多いのです。しかもワンオーナーで5000kmおきにエンジンオイルを交換しているそうです。
今後も大切に乗りたいのが一番の理由であるようです。
エンジンオーバーホールが不要であることを説明すると安心していただいております。
適切なメンテナンス(エンジンオイルの交換が一番重要)をすればホンダのエンジンは壊れることはないということを認識していただきたいと思います。最近は部品の供給がしてもらえなくて修理できないため諦める方が多いのも事実です。
当社では以下のような場合にオーバーホールをおすすめいたします。
(1)オイル消費が悪い場合
オイル消費が悪いとはオイルが減ってしまうと意味ですが、目安として1000km走行してオイルが1L減る場合です。
5000kmおきにオイル交換していれば、このようなことになるのは少ないのですが、オイル交換を怠るとエンジン各部の磨耗がすすみオイルが減るようになってしまいます、、、
しかし、EK9シビックタイプRやDC2インテグラタイプRは25万kmを越えるとオイル消費が悪化する場合が多いです。多くの場合ピストンリングの性能の悪化が原因と思われます。
上図のようにオイルリングの張力(外側に押し付ける力、外側に張る力)が失ってしまうとエンジンオーバーホールが必要になります。
ビートなどは500km走行してオイルが1L減ってしまうエンジンがありました。
もともとエンジンがかなり傾いて取り付けてあるためオイルの回収性が悪いこともあります。
オイル管理の悪いエンジンは10万km以前にオイルがかなり減るようになってしまいます。
こちらのエンジンはオイルでベトベト状態です、、、オイルが減るようになるということは燃焼室にオイルが入り込み燃料といっしょに燃えることにより多量のスラッジ(オイルかす)が発生してしまい、エキゾーストポートにスラッジがこびりついてしまいます。
オイルを交換しないと最悪このような状態になります、、、恐ろしいです、、
私が経験した中で一番ひどい状態ですが、このような状態になるとかなりの部分に大きなダメージを受けてしまいますので、、、再生不可能な状態です(オーバーホールしてもかなりの部品を交換する必要があります)新車から3年たたないでこの状態ですからね、、、このあとどうなったのか知りたい方は直接店長まで!
(2)マフラーから白い煙が出る場合
エンジン燃焼室にオイルが混ざってガソリンと燃えると白煙が生じます。寒い朝に白煙が出る場合とは違って、暖気後の加速時に煙幕のように白煙が出る場合はエンジンオーバーホールが必要な合図となります。
通常エンジンの燃焼室にはオイルは入りませんが、オイル上がり、オイル下がりというトラブルが発生するとこのようになります。
オイル上がりとはピストンやピストンリング、シリンダに問題があるとエンジンオイルがエンジン燃焼室下部から入ります。
出典:https://www.paraffin-oil.com/trouble/
オイル下がりとはエンジンヘッドのバルブ廻りのステムシールに問題があるとエンジンオイルがエンジン燃焼室上部から入ります。
出典:https://www.paraffin-oil.com/trouble
このような状態になるとかなりオイルが減るような状態になります。長く愛車に乗りたいということであればオーバーホールが必要になります。オイルを補充しながら走行すればエンジンが壊れることはありませんが、、、オイルが少なくなっていて走行していると焼きつきが発生して下記のようにひどい状態になることもあります。
22万km走行したシビックタイプR EK9の焼きついたピストンです。このあとオーバーホールしてエンジンブロックとピストンを交換してその後42万kmまで走行しました。
1995年F1最終戦にて無限ホンダF1エンジンが白煙を吹きながら完走しましたが、その後エンジンを調べるとノッキングでピストンに穴があいて、そこからエンジンオイルが燃焼室に入り白煙を吹きました。大きくクラックも入っており、あとちょっとでエンジンブローでした。
(3)エンジンの調子が悪く圧縮測定をして低い場合
エンジンの吹けあがりが悪くなった場合やエンジンのメカニカルノイズが大きくなった場合や燃費が極端に悪くなった場合やエンジンの振動が大きくなった場合、エンジンをクランキング(プラグを外してスターターをまわして空回り)して圧縮圧力を測定して低い場合は、圧縮漏れが起きています。ピストンリングやピストンにダメージがある場合やシリンダーヘッドのバルブが曲がっていて圧縮漏れがおきていると思われますのでオーバーホールが必要になります。
他のサイトをみていると一般の方が誤解を受ける表現があるため解説させていただきます。
オーバーホールが不要にもかかわらず、不安をあおりオーバーホールをすすめて高額の請求をする業者さんもありますのでご注意ください。以前DC2インテグラでV−TECのスプールバルブからひどいオイル漏れが発生していた方が都内有名ショップで見てもらったら、エンジンオーバーホールしなければ壊れてしまうと脅されて、、、当店に相談に来た方がいます。スプールバルブのパッキンだけ交換してから25万km以上オーバーホールなしでお乗りいただきました。
(1)エンジンオイルがしみだしている場合
オイルが漏れていると車検に通りませんので修理は必要ですが、エンジンオーバーホールが必要で無い場合が多くあります。
オイルパンから漏れている場合はパッキン交換もしくはオイルシール剤の交換で治ります。ただし、ブロックとヘッドの間にあるヘッドガスケットからオイル漏れが発生している場合は、シリンダーヘッド部をおろしてガスケット交換しなければいけないので大掛かりな作業になります。長く大切に乗りたい場合はオーバーホールをおすすめしますが、、、延命であればガスケット交換だけでも良いと思います。
(2)急坂を登る時や急加速の時に加速が悪い
エンジンに問題が全くないとは言えませんが他の原因であることが多いと思います。
たとえばエンジンの点火プラグや点火コイルに問題がある場合は、良い燃焼にならないのでエンジンパワーがダウンしてしまいます。プラグや点火コイルを交換することにより回復します。専門家の診断が必要になります。
エンジンオーバーホールすることにより新車の状態に戻すことは可能です。
性能が低下する原因は以下のことが考えられます。
①走行距離がすすむにつれてポートにスラッジ(オイルかす)がたまり、空気がうまく流入しないため性能ダウンしてしまいます。
②ピストンリングの張力(外側に押し付ける力)がダウンして圧縮が漏れたり、バルブステムシールに損傷がありオイルが燃焼室に入って性能がダウンしてしまいます。
③各部品の摩耗がすすみフリクション(抵抗)が大きくなり性能ダウンしてしまいます。
エンジンオーバーホールをすることにより上記の原因でおこる性能ダウンが回復します!!
大きく落ちた性能が元に戻るとあたかも性能アップしたような感覚にはなります。
さらに性能を高めようとするとポート研磨や摺動部品に表面コーティングが必要になります。
ポート研磨をすることにより多くの空気が燃焼室に入るようになったり、排気ガスが燃焼室からスムーズに排気されるようになります。その結果出力が向上します。ただし高度なポート研磨の技術とノウハウが必要なため、見よう見まねで磨いても逆に性能ダウンしてしまいます。
無限でも私がポート研磨をした最後の世代です。磨きすぎてレース用ヘッドをダメにした経験もあります、、、笑
無限ホンダF1エンジンではポートは全て機械加工していましたので、逆に磨くと性能ダウンすることもあるため磨くことはしていませんでした。
最近のホンダエンジンはかなり精度が出ていますので、正確に組み立てないと大きく性能ダウンしてしまいます。信頼できる方に頼むのが一番と思います。
オーバーホールをすることにより全部分解して各部の部品をチェックすることによりトラブルの早期発見ができることと、性能回復できることが最大のメリットです。チェックするポイントがありますのでかなりの経験が必要になります。
当社のオーバーホールはいろいろなエンジンを見てきた経験でチェックさせていただきます。
レースでは分解して各部品を詳細に調べることにより当たりの強さや摩耗を目視、拡大鏡、顕微鏡でチェックすることが可能です。
エンジンブローにつながるマイクロクラックを顕微鏡や浸透探傷試験で発見し対策をしたりします。
以前無限でF1エンジンを設計していた時、原因不明のエンジンブローが多発した際に、耐久テストを途中で止めて分解チェックしたら、想定外の場所にクラックが発生しており製造工程、組立工程すべてに及ぶ検証をした結果、組立工程の治具に不具合があり原因がわかったこともあります。
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エンジンを全部分解することになるため時間と費用がかかることが問題です。
高度な知識とスキルを要するため分解時に傷をつけたり、組立時に誤組をしたりすることによりエンジンを損傷することがあります。極端なことを言うとやらない方が良かったとか?
ビートのエンジンは通常8500rpmまで回りますが、、、7500rpmより吹け上がらないという訴えがありました。
分解して調べてみるとインテークとエキゾーストのバルブスプリングが逆についておりました。
しかも有名ショップでやってもらったというから驚きでした、、、、
チェック走行でわかると思うのですが、、、、
しかも私の経験で2件もありました。
実は当社のメカニックも以前ビートエンジンのオーバーホールでコンロッドのキャップを逆に組付けてしまいました、、、
組みあがった際に自分が最終チェックでクランクを回してみたら、わずかに抵抗を感じたのでもう一度チェックさせたら、、、
このままエンジン始動していたらと思うとぞっとします、、、、
先日入庫したインプレッサのエンジンはアイドリングが不安定であったのでタイミングベルトをチェックしたところ2山もずれて取り付けてありました、、、ずらして組む方が難しいと思います。この車両については次から次へと想定外のトラブルが発生して大変困りました。ホンダエンジンは得意ですが、、、、どうやってピストン抜くの? 良い経験にはなりました。
反省としてホンダエンジン以外は仕事として手を出さないことに決めました、、、、
最近のディーラーメカニックの多くがエンジンオーバーホールの経験がなく、、、、専門学校時代に分解、組立を何人かで一度した経験しか無く、、、エンジンオーバーホール出来ませんという方が多いのも事実です。
当社でもオーバーヒートでガスケットが抜けたエンジンは誰もが修理できるように教育をしていますが、エンジンオーバーホールとなるとミスは許されないので、車検の合間に作業させしてしまうとミスの原因にもなるため会社ではさせていません。
先ほども説明させていただきましたが、、、エンジンオーバーホールの定義があいまいなので当社の最低限のエンジンオーバーホールを説明させていただきます。
せっかくエンジンオーバーホールを行うのであるから必要最低限の交換部品として下記の部品を指定させていただきます。
ピストン
ピストンリング
ピストンピン
インテークバルブ
エキゾーストバルブ
インテークバルブスプリング
エキゾーストバルブスプリング
バルブコッター
コンロッドメタル
メインメタル
スラストメタル
ウオーターポンプ
タイミングベルト
アイドラーベアリング
テンショナーベアリング
補記類ベルト
ガスケット、オイルシール一式
主な交換部品を画像でご説明させていただきます。
エンジンオーバーホールにおいて
だれがやるのか?
どこでやるのか?
どうやるのか?
ということが重要であると考えております。
オーバーホールをする際の判断基準としていただきたいと思います。
車両からエンジンを下ろした状態ですブロックとオイルパンの接合部付近よりオイルがかなりにじんでいます。
まずは外観の目視チェックをしますノックセンサーのカプラー部分が破損しています。
エンジンハーネスまわりのカプラーを外す際に細心の注意で作業していても折れてしまうことがあります。そうなるとエンジンハーネスごと交換になる場合があります、、、追加交換部品としてお客様のご負担になります。作業工程において免責となります。
いよいよヘッドカバーを外して分解開始です内部の状態をチェックをしながら作業をすすめていきます。この部分で経験の差が出てきます。
バルブが1mmリフトする時のクランクシャフトの回転角度を測定します。分解組立前後での数値をチェックします。
カムシャフトのプーリを外した状態です。オイル焼けが見られないのでエンジンオイルの管理が良かったことが想像されます。エンジンオイルには燃焼ガスに含まれるすすなどを吸着して、エンジンを洗浄する能力があります。ただし限度がありますのでエンジンオイルの交換を怠ったりするとそのすすなどの成分がエンジンの部品にこびりつきます。そのこびりついたものをオイル焼けと呼んでいます。
ヘッドカバーのエンジン内部側ですオイル焼けがみられないのでかなりエンジンオイルの管理が良い状態です。
カムキャップを外した状態です。カムキャップ側には常に荷重が繰り返しかかる状態のため傷がないかチェックします。カムキャップとヘッドは一体加工のため、大きな傷がある場合はヘッド交換になります。
カムシャフトを外した状態です。ロッカーアームがかなりあたりが強くかなりオイル焼けなどがみられます。
超強力に締結されているヘッドボルトを外します。全部緩めると汗だくになるほどです。<=これ本当ですから 笑
燃焼室シリンダーヘッド側です。かなり綺麗な状態です。
オイル消費が悪いとここにスラッジがたくさんついていることがあります。
燃焼室ピストン側です。ノッキング(異常燃焼)も起きていなく綺麗な状態です。
ノッキングが起きると燃焼温度が上昇してピストンの一部が溶けていたりします。
1993年F1最終戦オーストラリアグランプリで無限ホンダリジェが白煙を吹きながら2位のチェッカーを受けましたが、、、そのエンジンを分解するとノッキングでピストンの一部が溶けて穴があきエンジンブロー寸前であったことがありました。
ブロックシリンダー内面です。かなりの段付き磨耗が見られます。
スリーブに縦傷が入っていないので綺麗な状態です。
現在はオーバーサイズのピストンが販売されていないのでここに大きな傷があるとブロック交換になります。通常はハンドホーニングでシリンダー内面をクロスハッチング(斜めの細かい線傷)で仕上げます。
ブロックからクランクシャフトを外した状態です。
クランクシャフトキャップ部の合わせ面にフレッティング(表面の損傷)がないかをチェックします。レース用エンジンでない限り問題はありません。
ブロック内面の状態からオイルの管理が良かったことがわかります
こちらはビートのエンジンブロック内部の画像です。オイルの管理が悪くオイル焼けがみられます。この汚れを落すのが大変な作業です。
メインメタルブロック側です。かなりあたりが強くメタルの一部に損傷がみられます。
高回転エンジンのためピストン、コンロッドの慣性力をこのメタルで受け止めます。
当社のエンジンオーバーホールでは基本交換となります。
メインメタルキャップ側です。このエンジンは剛性アップのため中央部はビーム式のキャップとなっています。
こちらのメタルはエンジンの爆発圧力を受けています。
クランクシャフトです。曲がりがないかなどをチェックしますがレース用クランクシャフトでなければほとんど問題ありません、、、オイルドレンボルトの脱落やエンジンオイルが減って焼つきがない限り交換することはない部品です。
エンジンの心臓ともいえるピストンです。チェックのため脱脂しているのでエンジンオイルのカス成分が表面についていて錆びているように見えます。
ピストンのトップランドのあたりが良好な状態です。
ここのチェックポイントはあたりが強いと焼き付きの原因にもなります。
ちょっとクリアランスが大きいと燃焼ガスが回り込んでいたりオイル消費にも悪影響があります。
ピストンスカート部中央の当たりがちょっと強くみられます。
コンロッドとコンロッドメタルですそんなに当たりは強くないですが合わせ面付近の当たりが強くなっております
ロッカーアームの当たりと焼けがかなり強いです、、、、
ひどい場合は交換しますが、、、
こちらもバフ掛けして奇麗にします。表面磨くことによりフリクションの低減が図れます。
ビートのエンジンですがカム山に虫食いとよばれるものが発生しております。このようになったらカムごと交換になります。
専用の洗浄剤とブラシで洗浄してここまで奇麗にします。今も昔もかなりの重労働です、、、ポートの鋳肌や段つきなどをカッターで修正して空気や燃焼ガスが綺麗に流れるようにします。ポート研磨は別料金となります。
バルブシートをシート修正機でバルブのシール面を削り修正します。
シートあたり面が綺麗に修正されました。こちらのエンジンはB18Cのエンジンなので最初からポート磨きがある程度施工されています。
バルブあたり面にコンパウンドをつけてタコ棒を使ってバルブの擦り合わせをおこないます。
リズムよくできることが職人の証です。
ブロックのバリを取り除きます。合わせ面に傷がつかないよう注意しての作業となります。
シリンダー内面にホーニングを施工します ビフォー
縦傷が深い場合はブロック交換になります。以前はブロックをボーリング(径を0.25mmほど大きく削る)してオーバーサイズ(径が0.25mm大きい)のピストンを入れて対応できましたが、、、今はできません。
各自動車メーカーはオーバーサイズのピストンを販売することを辞めてしまったためです。とくに軽自動車にオーバーサイズのピストンを入れると排気量が軽自動車の枠を超えてしまうため、自動車税や重量税がアップしてしまいます。ナンバー変更して乗る方が居ないため脱税とみられたようです、、、
クランクシャフトのオイル穴です穴の周りにバリがあります。
リューターで穴の廻りのバリを取り除きます。
ラッピングという作業をしてピン、ジャーナル部を磨きます。
ここまで綺麗にすれば不必要なメタルトラブルを防ぐことができます。
クランクシャフトのジャーナル径、ピン径を1000分の1mmレベルで測定します。
規定のオイルクリアランスになるようメタルを選定します。
コンロッド大端部の内径を測定してコンロッドメタルの選定を行い規定のオイルクリアランスになるようメタルを選定します。
ピストンの重量をチェックします。重量合わせは別料金となります。
加工精度が良いため通常1g以内の誤差になっています。
ピストン外径もチェックします。
B18Cの場合、通常シリンダーとの隙間は10ミクロン~40ミクロンです。50ミクロンが限度値になっております。
ピストンリングの合口隙間のチェックをします。
B18Cの場合 トップリングの合口隙間は0.25~0.30mm 限度値が0.6mmとなっております。
ピストン側の容積を測定します。間接計算により実圧縮比を出します。
ピストンリングコンプレッサーを使用してリングを内径に合わせてピストンをブロックに挿入します。
コンロッドをクランクシャフトに取り付けます。コンロッドボルトがエンジンのボルトの中で一番設計が難しい部品です。
上記のようなコンロッドゲージを使いボルトの伸びを規定値になるようナットを締めつけます。B18Cの場合0.13~0.15mmになるようにします。
エンジンによってはトルクや角度で伸びの代わりに管理する場合があります。
クランクシャフトの軸方向のガタをチェックします。B18Cエンジンの場合0.1~0.35mm 限度値が0.45mmとなります。
タペットクリアランスを規定値に調整します。
B18Cの場合 インテーク側0.15~0.19mm エキゾースト側0.17~0.21mm 当社の基準で中間値に合わせます。
ホンダカーズ野崎エンジンオーバーホールの証としてフォトアルバムを希望者に条件付きでプレゼント致します。
ここまでのクオリティーでオーバーホールできるところは少ないと思います。
ここまで実作業を公開しているところも無いのでは?
実際に作業しているからできることです!!
じっくり比較してみてください〜
他のエンジンオーバーホールはこちらからご覧ください
シビックタイプR FD2
S2000 AP2
実際にエンジンをオーバーホールするのに必要な工具はたくさんあります。
それなりの投資が必要となります。全部そろえると100万円超えますよ〜
・エンジンマニュアル
エンジンの組み方がある程度記載されて
います。プラモデルとは違いますので
これだけでエンジンを組むことは
不可能です。締付けトルクやクリアランス
などが記載されています。
・通常工具一式
スパナ、めがねレンチ、ソケット
ソケット、6角レンチなど。
・トルクレンチ 数種類
エンジン部品はすべてのネジを
トルク管理します。
・シリンダーゲージ 数種類
シリンダーの内径やメタル合わせ
に必要です。
・リングゲージ
シリンダーゲージの基準となります。
・6角レンチ
このレンチがかなりすぐれものです。
・バルブスプリングコンプレッサー
バルブスプリングの組付けに必要です。
・シックネスゲージ
タペットクリアランスなどの調整に必要です。
・リューター
バリを取ったりするのに必要です。
・エアガン
部品の洗浄後に使います。
・ピストンリングコンプレッサー
ピストンを組付けに必要です。
・エンジンスタンド
エンジンの固定に必要です。
・たこ棒
バルブの擦り合わせに必要です。
*その他専用工具が車種別に必要となります。
*これが全てではありませんのでご注意ください
1ヶ月ちょっとお預かりさせていただきます。
Q:代車は貸していただくことは可能ですか?
A:ご相談させてください
代車不要だと助かります。
残金は終了後納車時にいただきます。
A:可能です ご相談ください。
現在輸送用の箱を製作中です。
純正パーツのみとさせていただきます。
Q:保証はありますか?
A:納品から3ヶ月もしくは走行1000km
オーバーホールエンジンに問題が発生した場合は
即対応するよう心がけております。
競技用車両は保証対象外となります。
作業することは可能です。
サスペンション交換、ブッシュ交換も可能です。
ので是非オススメしたいです。
A:追加料金で可能です。
A:残念ながらホンダエンジンのみとなっております。
A:残念ながら見学できません。
Q:オーバーホール用部品のみ購入できますか?
A:購入可能です。準備中です。
以下のエンジンのオーバーホール料金が記載されています
S2000 AP1 F20Cエンジン
シビックタイプR FD2 K20Aエンジン
ビート PP1 E07Z エンジン
シビックタイプR EK9 B16Aエンジン
②お気軽にお問い合わせください
疑問な点、詳細な見積書が必要であれば、お電話か下記相談お申込みからお問い合わせください。
③ご検討
じっくりとご検討ください
エンジンオーバーホールを見合わせる場合でもここまでは無料です。
④エンジンオーバーホールお申込み
部品のバックオーダーがないか確認して作業日のご相談をさせていただきます
車両お預かり時に部品代をいただきます。
⑤完成後納車
作業の詳細を画像をつかって説明させていただきます。
交換された部品も見ていただきます。
お客様の声 ホンダS2000 埼玉県川口市大澤弘宜様より「エンジンの素性が劇的に良くなっているような予感を覚えます。」
お客さまの声 ホンダS2000 宇都宮市今津陽介様より 「オイル消費量が劇的に改善したのにびっくりです。」
お客様の声 インテグラタイプR M様より「70から100km/hへの追い越し加速が良くなった」
お客様の声 ホンダビート 上三川町 Nさんより「通勤が楽しくてしょうがありません」
お申し込みもこちらから可能です
感想もこちらからいただけると嬉しいです。
Q&Aとして公開されることをご了承ください。
(名前は出しませんのでご安心ください。)
雑誌、テレビ、インターネット取材実績多数
ホンダカーズ野崎が長年シビックタイプRに力を入れてきた証明です。
▪️カートップ取材
最後まで読んでいただきありがとうございます!
ちょっとでも良かったと思ったらクルマ好きの方に教えてあげてください〜 少しでも多くの方に知っていただければ幸いです。
2016年のスーパー耐久使用エンジンをシーズンオフに解説を加えながら分解できたらと思っております。
できれば都内で公開で行いたいと思っております。ホンダウエルカムプラザでできたら最高ですね! どなたかお偉い方ご推薦いただけないでしょうか? 得意の勝手にやれれば面白いですが、、、出禁になりそうなので、、、笑
ホンダが好き
レースが好き
無限が好き
一つでもあてはまればフェイスブックでの友達申請お待ちしております
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ただクルマを販売するだけではなく、
ホンダの原点である
”モータースポーツ”を
お客様と一緒に、思いきり!
楽しんでいきたいと思っています
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今回メルマガに登録していただくと
クルマに関する7つの情報を
7日間メールで配信させていただきます。
こんな方に役立つ情報をお届け致します
☑️ 愛車を良い状態で長く乗り続けたい
☑️ クルマにうとい方が知らないことで損をしている
☑️ クルマ好きでも理解していないこと
☑️ クルマ好きでも意外と知らないこと
1日目 いざという時にテンパって
忘れてしまうカーアラーム解除方法
2日目 野崎店がおススメする
正しい洗車方法とは?
3日目 車のメーターに見慣れないランプが・・・
それ、警告灯です
4日目 ガソリンスタンドで勧められる
水抜き剤って何? おいしいの?
5日目 車への愛着は、
オイルを見ればわかります。
6日目 軽油?ああ、
軽自動車にいれるやつね!
7日目 店長も知らなかった
給油マークなぞとは
7日間のメール終了後は、
不定期で季節ごとのメンテナンスアドバイスや
各種イベントの先行案内などを送らせていただきます。
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